キャンプ飯

うな重

takibitoshippo

焚き火と犬と、ちょっと不便なアウトドアが好き。 最近はキャンプギアのレビューだけじゃなく、小説も書いてます。 自然の中で感じたことや、犬との暮らしの中で生まれた気づきを物語に。 実用と創作、どちらも大切にしながら、ゆるっと発信しています。

いつものキャンプ場で、俺は今日の夕飯の準備を始めた。

ここは穴場で良いんだよな、なっぷに載ってないから知る人ぞ知るキャンプ場。近いんだけど、料金もかなりリーズナブルの1840円

さてっと、今日の食材は……近くのスーパーで手に入れた竹串に刺さった蒲焼きうなぎ。さすが静岡、うなぎの本場だけあって品揃えが良い。

「よし、まずは飯を炊くか」

メスキットを取り出し、研いだ米と水を入れる。ガスバーナーに火をつけ、メスキットを火にかける。

キャンプ場での炊飯は慣れたものだ。弱火でじっくり炊き上げる。メスキットの蓋から湯気が立ち上り、ほんのりと米の甘い香りが漂ってくる。

その間に、うなぎの準備だ。

竹串に刺さったままのうなぎを、ガスバーナーで炙っていく。ジュウジュウと音を立てながら、表面に焦げ目がついていく。タレの甘い香りが一気に広がった。

少しお酒を垂らすのがオレ流のこだわりだ。

「くぅ〜、たまらん」

程よく炙れたところで、竹串からうなぎを外す。ふっくらと膨らんだ身が、いい色に仕上がっている。

メスキットの炊飯が完了した。蓋を開けると、ふっくらと炊き上がった白米が湯気を立てている。

「完璧だな」

炊きたてのご飯の上に、炙ったうなぎをそっと乗せる。そして、日本食研の「うなぎのたれ」を取り出した。キャンプ前にドラッグストアで買っておいた一品だ。

まずはうなぎの上からたっぷりとタレをかける。照りのある濃厚なタレが、うなぎの表面を覆っていく。さらに、ご飯の上にも直接タレを回しかけた。

「これで完成、っと」

メスキット一つに収まった、野外仕様のうな重が出来上がった。

一口食べてみる。

「……うまい!」

炙ったうなぎの香ばしさと、タレの甘辛さ。そして、ガスバーナーで炊いたご飯のふっくらとした食感。タレが染み込んだご飯も最高だ。

キャンプ場で食べる蒲焼き飯は、どんな高級店にも負けない美味さだった。

「やっぱり外で食う飯は格別だな」

静岡の山奥、澄んだ空気の中、俺は至福のうな重をかき込んだ。

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