キャンプ飯

ステーキ 1980円の至福

takibitoshippo

焚き火と犬と、ちょっと不便なアウトドアが好き。 最近はキャンプギアのレビューだけじゃなく、小説も書いてます。 自然の中で感じたことや、犬との暮らしの中で生まれた気づきを物語に。 実用と創作、どちらも大切にしながら、ゆるっと発信しています。

テントの最後のペグを打ち込むと同時に、額から一筋の汗が頬を伝った。設営を一しきり終え、ようやく一息つける。折りたたみチェアに腰を下ろし、保温ボトルから注いだコーヒーの香りが夏の風に混じって鼻腔をくすぐる。

近年の温暖化の傾向でこの猛暑だ。盛夏の容赦ない日差しが照りつける。設営するだけでも汗が吹き出してしまう。Tシャツの背中は既にびっしょりと濡れ、肌にまとわりついて不快だが、これもキャンプの醍醐味のひとつと言えるかもしれない。

山の稜線に太陽がかかり始めた頃、ちょっと早いが夕飯の準備に取り掛かる。今日はキャンプ場に来る途中のエスポットに寄って、目玉商品の黒毛和牛のステーキ1980円を購入した。パックの中で美しい霜降りが光を反射し、まるで宝石のように輝いている。これを見た瞬間、今日の夕食への期待が一気に高まった。

「さて焼くぞ」

一人呟きながら、愛用の調理道具を取り出す。丁寧にシーズニングした鉄板を取り出し、バーナーで温める。鉄板が熱を帯びてくると、周囲の空気が揺らめき始める。準備は完璧だ。

そこに肉を豪快に投入する。

「ジュウッ!」

良い音が鳴り響く。この音こそが、料理人の心を躍らせる最高の音楽だ。肉の表面がバーナーの炎の熱で瞬時に変化し、褐色の焼き色が現れ始める。

まずは強火で肉の両面に きっちり焼き色をつける

表面の焼き色は、メイラード反応による香ばしい香りと旨味の証。片面に美しい焼き印がついたのを確認すると、躊躇なくひっくり返す。反対側にも同じように、芸術的な焼き色を刻み込んでいく。

立てかけるように肉を支え、白い脂身の部分にも熱を当てる。脂が透明になり、じわじわと溶け出してくる様子は見ていて飽きない。この脂こそが、和牛の真髄とも言える部分だ。

一度鉄板から上げ、予熱の残る場所でしばし休息。この間に、肉の内部では魔法のような変化が起こっている。表面で受けた熱が中心部に向かって伝わり、タンパク質がゆっくりと変性していく。

指先で肉の弾力を確かめる。この感覚は、長年の経験が教えてくれる料理の極意だ。適度な反発力があり、まだ柔らかさも残っている。完璧な焼き加減まであと少し。

一度バーナーを止め休ませる。

焼いた表面の熱が内部に伝わり、肉全体の温度がじわじわ上がっていく。休ませる際にアルミホイルで包むと、熱の逃げ場がなくなり、急に温度が高くなって肉が縮み、肉汁が逃げてしまうこともある。だからこそ、肉の温度はあわてず、ゆっくりと上げていく。

そして遂に、完成。

夕陽に照らされたキャンプサイトで、ついに黒毛和牛のステーキが皿の上に鎮座した。断面からは薄っすらとピンク色の肉汁が滲み出し、表面の焦げ目は芸術品のように美しい。

フォークとナイフを手に取り、ゆっくりと一口サイズに切り分ける。口に運んだ瞬間、和牛の深い旨味が舌の上で爆発した。外は香ばしく、中は柔らかな食感。脂の甘味と肉本来の味わいが絶妙に調和している。

この肉を食べるだけで幸せを感じる。

山々に囲まれた静寂の中、焚き火の炎が揺らめき、遠くから虫の音が聞こえてくる。都市の喧騒から離れたこの場所で味わう一皿は、どんな高級レストランでも決して味わえない特別な美味しさを持っている。

キャンプの醍醐味は、こんな贅沢な時間にあるのかもしれない。

焚き火としっぽ流ステーキの作り方

🔥フライパンひとつで極上の味へ──美味しいステーキの焼き方完全ガイド

はじめに:ステーキは「火」と「時間」の芸術

キャンプの夜、焚き火のそばでジュウジュウと音を立てるステーキ。香ばしい匂いが風に乗り、犬が鼻をひくつかせる。そんな情景を思い浮かべながら、今回は「家庭でもできる、プロ級ステーキの焼き方」をご紹介します。

🍖ステーキ肉の選び方:厚みと部位が命

  • 厚さは2cm以上:火入れのコントロールがしやすく、ジューシーに仕上がる
  • 部位はサーロイン・リブロース・ヒレがおすすめ 個人的には脂身が好きなのでサーロインが一番おススメ!
  • 色は小豆色、筋が少ないものが理想

肉は「面積より厚さ」。これはステーキの鉄則です。

🔧下準備:焼く前のひと手間が味を決める

  • 冷蔵庫から出して30分ほど常温に戻す
  • キッチンペーパーで水分をしっかり拭き取る
  • 焼く直前に塩と黒こしょうを均一にふる

※こしょうは焦げやすいため、仕上げに追加するのも◎

🍳焼き方:五感で火を操る

側面の脂身も焼くことで、余分な脂が落ちて旨みが増します。

🧈ソースと付け合わせ:味の余韻を彩る

バター醤油ソース(定番)

  • 有塩バター:20g
  • 醤油:大さじ1
  • 酒:小さじ1
  • にんにくチューブ:適量

フライパンで煮立てて、焼き上げた肉にかければ完成。

付け合わせアイデア

  • クレソンやししとうで彩りを
  • 玉ねぎの輪切りを焼いて甘みをプラス

🏕️アウトドアでの応用:焚き火ステーキの極意

  • 牛脂を使うと風味が格段にアップ
  • アルミホイルをかぶせて余熱調理が可能
  • 焚き火の強火ゾーンと弱火ゾーンを使い分ける

まとめ:ステーキは「物語」になる

ステーキを焼くという行為は、ただの調理ではなく「火との対話」。その音、香り、色、そして味が、食卓に物語をもたらします。キャンプでも家庭でも、火を操る者こそが、最高の一皿を生み出すのです。

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