キャンプ ストーリー 体験談

🏕️小説風:しっぽと僕の、初めてのソロキャンプ

takibitoshippo

愛犬と一緒に「しっぽを振りながら」自然を楽しむ、ゆるキャンライフを発信中。 このブログでは、初心者でも気軽に始められるキャンプ術や、犬連れならではの工夫を紹介しています。 目指すのは、“ちょっと不器用でも、楽しいアウトドア”。 焚き火としっぽが揺れる、そんな時間を一緒に楽しみましょう。

くねりと曲がった山道を、僕は静かに車を走らせていた。
窓の外では木々の隙間から木漏れ日が差し込み、ダッシュボードに柔らかな光を落としている。
その光が、助手席のしっぽ達の毛並みをきらりと照らすたび、僕の胸は少しずつ高鳴っていった。

今日は、初めてのソロキャンプ。
一人でキャンプなんて、正直なところ不安もあった。
けれど、あの日、妻が言ってくれた言葉が背中を押してくれた。

「行きたいんだったら行ってくれば?後悔するより行ってきなよ」

その言葉に、僕は車にギアを積み込み、しっぽ達を乗せて、山へ向かう決意をした。

コメリで炭と薪を調達し、キャンプ場に着いたのは昼過ぎだった。
平日ということもあり、駐車場には僕の車だけ。
まさかの完ソロ。
ソロキャンプデビューが、いきなり“完ソロ”とは。

でも、心細さはなかった。
隣には、炭次郎と伊之助のように元気なしっぽ達がいる。
彼らの存在が、僕の不安をかき消してくれる。

テントを張る場所を探していると、ふいに声がした。

「ここは初めて?」

振り返ると、そこにはひげをたくわえた山男風の管理人が立っていた。
その眼差しは、どこか優しく、山の空気のように澄んでいた。

「ここのキャンプ場も初めてなんですけど、ソロキャンプ自体が初めてで……」

「そうなんだ。じゃあ、今日は私も管理棟にいるから、何かあったらいつでも来てね」

その言葉に、少しだけ肩の力が抜けた。

設営は、ワンタッチタープとワンタッチテントのおかげで驚くほどスムーズだった。
インフレータブルマットとシュラフを広げ、あっという間に僕の基地が完成する。

しっぽ達は、管理人の計らいでドッグランを自由に駆け回っている。
その姿を眺めながら、僕は椅子に腰かけ、コーヒーを一杯。

静かな森の中、湯気の立つマグカップを手に、僕は思った。

「これだよ、これが欲しかったんだ」

火起こしには、ユニフレームのチャコスタを使った。
煙突効果で、火はすぐに安定する。
前回の失敗が嘘のようだ。

ジュウ、と音を立てて焼ける黒毛和牛。
その香りに、しっぽ達も鼻をひくつかせている。
ビールを開けて、ひと口。

「うまい……」

この瞬間のために、来たんだ。

夕暮れが近づくにつれ、空の色が変わり始めた。
雲が厚くなり、ポツポツと雨が降り出す。

シャワーを浴びて戻ると、テントの中にいるはずのしっぽ達が、雨の中で大はしゃぎ。
泥だらけになって僕に飛びついてくる。

「おいおい……」

笑うしかない。
でも、どこか嬉しい。

夜。
雨は激しさを増し、雷が空を裂いた。

「ドオオン!」

地響きのような音に、僕はテントの中で身をすくめる。
しっぽ達も不安そうに僕の足元に寄り添ってくる。

これは……撤収だ。

滝のような雨の中急いで荷物をまとめ、車に乗り込む。
地面から跳ね返った雨のせいで泥だらけのまま、山を下りる。

山を後に脱兎のごとく帰宅すると、待っていたのは雷帝のごとく怒り狂う妻の雷だった。

「何やってんのよ、あんた……!」

でも、僕は心の中でつぶやいた。

それでも、楽しかった。

🌲エピローグ:しっぽと僕の、またひとつの思い出

初めてのソロキャンプは、完ソロで、泥だらけで、雷に追われた。
でも、しっぽ達と過ごした時間は、何にも代えがたい宝物になった。

次は晴れの日に、もう少しだけ慎重に。
でも、また行こう。
しっぽ達と一緒に。

🎭登場人物紹介

👨‍⚕️僕(主人公)

医療系の仕事に従事するキャンプ好き。
日々の忙しさの中で自然に癒しを求め、週末にはしっぽ達とアウトドアへ。
几帳面で計画派だが、しっぽ達の予測不能な行動に振り回されることもしばしば。
焚き火とコーヒーが至福の時間。

🐶しっぽ1(メス)

芸達者で、びっくりするほどの賢さを持つ。
生後3か月の頃、サークルフェンスをはしごのように登って脱走した伝説の持ち主。
「おすわり」「ふせ」「ハイタッチ」などは朝飯前。
キャンプ場でも好奇心旺盛で、ギアのチェックは欠かさない。

  • 得意スキル
  • 死んだふり
  • ホフク前進

🐶しっぽ2(オス)

ちょっとおバカさんでビビり屋。
雷やシャワーの音に怯えるが、家族の中で一番優しい心の持ち主。
誰かが落ち込んでいると、そっと寄り添ってくれる癒し系。
キャンプ場ではしっぽ1の後ろをついて回るのが定番。

  • 得意スキル
  • なし

👩雷帝の妻

家を汚されると親の仇のように怒る、雷の化身。
普段は穏やかで優しいが、泥だらけの帰宅には容赦なし。
「掃除したばっかりなのに!」が口癖。
それでも、家族思いでしっぽ達にも深い愛情を注いでいる。

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